ナイアシンが不足すると

ナイアシンが不足すると、どんな症状が出てくるのでしょう。アルコールとの関係が深いということですが、特にお酒を飲む人は不足しないようにしなければならないようです。さて、もう少しナイアシンについて掘り下げてみましょう。

 

ナイアシンについて

ナイアシンはニコチン酸とも言われ、ビタミンB群の1つとなります。ニコチン酸といってもタバコのニコチンとはまったく関係はありません。ビタミンB群は発見された順に数字がついていますが、3番目に発見されたことからビタミンB3とも言われています。

 

糖質、脂質などをエネルギーにつくり替えるということでも知られているビタミンです。特にお酒を飲んだときに、アルコールを分解する酵素をサポートする補酵素となって働きます。もともとビタミンB群は代謝に深くかかわるビタミンですが、ナイアシンも同じように代謝に深くかかわっています。
ナイアシンと米ぬか
ポーランドの生理学者カシミール・フンクは脚気の研究中に米ぬかに含まれる成分が不足すると脚気が起こることに注目しました。そして米ぬかの中にビタミンB1が入っていることを発見し、その後の研究で米ぬかの中からナイアシンの抽出に成功したのです。

 

ナイアシンは食品からの摂取以外に、肝臓で必須アミノ酸のトリトファンから産生することができるビタミンですが、同時にビタミンB1、B2、B6が必須となり、どれが不足してもナイアシンは産生されません。ナイアシンは他の物質と結び付くことで、NADという補酵素となり酵素のサポートをしていくことに。またNADと他の物質が結び付くと今度はNADPという物質に変化し、ここでもさまざまな働きをしていくことになります。

 

ナイアシンは水溶性であり、熱や酸、アルカリ、光にも壊れとやすく、調理によっても思ったように摂取しにくいとのこと。また唐揚げなど油で揚げても30%前後は油の中に出てしまい、煮物などは70%以上煮汁に流出してしまいます。

 

ナイアシンの効果

ナイアシンは糖質や脂質、タンパク質をエネルギーに変換するときに重要な成分の1つですが、60〜70%のエネルギーはナイアシンがなければエネルギーをつくることができないと言われています。そしてNADを必要とする酵素だけでもなんと400種類ほどあると言われ、これは酵素全体の2割程度となるそうです。

 

NADは細胞の中に存在し、糖質や脂質、タンパク質の燃焼を促進しエネルギーを産生します。それによって内臓が元気に働き、体温を保ち、自由に体を動かすことができるわけです。またビタミンE、ビタミンCなどの働きも助けると言われています。

 

そして、このNADがまた他の物質と合成されるとNADPという物質に変化し、ホルモンを産生するサポートをします。特に性ホルモンをつくるサポートを行うと言われており、ホルモン分泌のバランスを保つためにも必要なビタミンと言えそうです。

 

また二日酔いに効果があると言われていますが、ここでもNADがかかわっています。お酒を摂取するとアルコール分は腸から吸収され、肝臓でアセトアルデヒドに分解されます。このときに活躍するアルコール脱水酵素のサポートをするのがNADなのです。

 

そしてアセトアルデヒドは、アセトアルデヒド脱水酵素によって酢酸に分解されて解毒されていきますが、このときにもNADはアセトアルデヒド脱水酵素をサポートするという、なくてはならない成分だったのです。お酒を大量に飲むと、このような流れによってナイアシンがどんどん消費されてしまうため、アセトアルデヒドが分解されずに残ってしまい二日酔いということになるわけです。

 

また健康の元とも言われている血行促進効果もあります。ナイアシンは毛細血管を広げる効果があり、そのため血行が良くなり冷え性、肩こり、頭痛などの改善にも効果があるとのこと。また大量にナイアシンを摂取することでコレステロールや中性脂肪を減らす効果もあり動脈硬化などを防ぎます。そして悪玉菌コレステロールを減らし、善玉菌コレステロールを減らさないという有り難い働きがあります。

 

ナイアシンが不足すると

ナイアシンが不足すると皮膚や粘膜、消化管、神経などにもさまざまなトラブルが起こると言われています。また口角炎、や食欲不振だけでなく、精神的な面での不安定さなども表れるとのこと。皮膚がカサカサになったり炎症を起こしやすくなり、下痢、胃腸障害、頭痛、鬱症状、認知症などにも影響が見られると言われています。

 

きちんとした食事を摂らずにお酒を大量に飲む生活をしていると、これらの症状によってノイローゼや鬱になっていくと言われています。例えば何かの悩み事を抱えて大量にお酒を飲むようになり、食事もあまり摂らなくなれば鬱病やノイローゼになるのも当然ということなのです。また肝機能も低下するため劇症肝炎などのトラブルにも見舞われるリスクが急増します。

 

ナイアシンの過剰摂取について

ナイアシンを過剰に摂取することで、血中の血糖値を下げるためのインスリンホルモンを阻害してしまうと言われています。インスリンは糖尿病患者の血糖値を下げる薬としても使われています。もしインスリン投与を必要としている人がナイアシンを大量に摂取する必要がある場合、医師に相談をしなければなりません。またナイアシンを大量摂取すると胃腸障害が起こるので注意しましょう。

 

1日の摂取量と食品

ナイアシンの1日の摂取量は成人男性が14mgNE、成人女性が11mgNEとなります。ナイアシンを含む食品の1例のご紹介をしましょう。
魚類 カツオ、サバ、タラコ、マグロ
肉類 レバー、鶏肉胸肉、ササミ
野菜類 きのこ類、小麦胚芽、豆類

 

タラコは100g中抜群に多く、40mgNE近くあるのでタラコ半腹程度食べればOKですが塩分のこともあるので毎日は難しいのではないでしょう。また同じタラコからできている明太子になると、汁につけ込んでいることから20mgNE弱となってしまうのでご注意ください。またレバーなどは100g程度で1日分クリアしますが、ただし食べ方によっては数倍必要になります。

 

このように考えていくとナイアシンは意外と摂取しにくいことが分かります。そのためサプリなども上手に利用したいものです。しかしナイアシンのサプリからの摂りすぎは逆に、皮膚がヒリヒリしたり嘔吐、下痢、便秘、肝機能低下、消化機能低下などの副作用が起こる可能性もあります。

サプリ売れ筋比較

ナイアシンの食事摂取基準(mgNE/日)1

性 別 男 性 女 性
年齢等 推定平均
必要量
推奨量 目安量 耐容
上限量 2
推定平均
必要量
推奨量 目安量 耐容
上限量 2
0〜5(月)3 2 2
6〜11(月) 3 3
1〜2(歳) 5 5 60(15) 4 5 60(15)
3〜5(歳) 6 7 80(20) 6 7 80(20)
6〜7(歳) 7 9 100(30) 7 8 100(25)
8〜9(歳) 9 11 150(35) 8 10 150(35)
10〜11(歳) 11 13 200(45) 10 12 200(45)
12〜14(歳) 12 15 250(60) 12 14 250(60)
15〜17(歳) 14 16 300(75) 11 13 250(65)
18〜29(歳) 13 15 300(80) 9 11 250(65)
30〜49(歳) 13 15 350(85) 10 12 250(65)
50〜69(歳) 12 14 350(80) 9 11 250(65)
70 以上(歳) 11 13 300(75) 8 10 250(60)
妊婦(付加量)
授乳婦(付加量) +3 +3

NE=ナイアシン当量=ナイアシン+1/60 トリプトファン。
1 身体活動レベルUの推定エネルギー必要量を用いて算定した。
2 ニコチンアミドの mg 量、( )内はニコチン酸の mg 量。参照体重を用いて算定した。
3 単位は mg/日。

出典元:厚生労働省 「日本人の食事摂取基準」(2015年版)より