モリブデンが不足すると

モリブデンが生きていくための必須ミネラルだというのを、初めて聞いた人もいるかも知れません。意外と知られていない成分ではないでしょうか。さてモリブデンの作用はどういうものなのか、どのような働きにかかわっているのか、不足するとどのよう問題があるのかなど調べてみましょう。

 

モリブデンは乳製品に多く含まれる

 

モリブデンについて

モリブデンは代謝にかかわる必須ミネラルですが、肝臓、腎臓に存在している微量ミネラルと言われています。体内の酵素の構成成分となって、糖質や脂質の代謝をサポートしているものです。モリブデンはいろいろな動物の体内に存在しており、人間の場合も約9mgが肝臓や腎臓に存在しています。

 

食品に含まれているモリブデンの量というのはとても少なく、実際には正確な分析が難しいと言われています。植物性食品の中では、モリブデンが構成成分になっている酵素が多いということから豆類にも多いようです。また動物性食品の場合、モリブデンが動物の肝臓にある酵素の構成成分になっているため、レバーに多いと言われています。

 

モリブデンは食事から摂取されますが、胃や腸で吸収されますが吸収率はとても高く、食品に含まれる75%ほどが吸収されると言われています。また過剰摂取は尿で排泄されるので、いつも体内モリブデンの濃度は一定を保たれているのです。

 

モリブデンの働きと効果

体内で起こるいろいろな代謝の過程で代謝をサポートし、補酵素の構成成分となっています。特にキサンチンオキシダーゼやアルデヒドオキシダーゼ、亜硫酸オキシダーゼなどの酵素のための補酵素のサポートをします。特にこれらの酵素は尿酸を産生する重要な働きのある酵素としても知られています。

 

モリブデンを構成成分とする補酵素がかかわっているキサンチンオキシダーゼは、特にプリン体の代謝に不可欠な成分です。また同じようなかかわりのあるアルデヒドオキシダーゼや亜硫酸オキシダーゼは、アミノ酸の1つでもあるシステインやメチオニンの分解に不可欠となっています。つまりモリブデンは間接的に、さまざまな代謝に不可欠だということになるのです。

 

そしてモリブデンは銅の排泄や鉄の代謝のサポートもし、血液を作るための鉄が不足すると肝臓に蓄えられている鉄の運搬も助けます。そのため貧血予防効果があるとも言われているのです。また食道癌の予防にも効果があるのではないかと研究されています。モリブデン不足と食道癌の関係が報告されています。

 

モリブデンが不足すると

さまざまな食品に含まれており、吸収率も高いため不足することはほとんどありません。欠乏症としてはあまり知られていませんが、貧血や疲労、尿酸代謝障害、不妊などが挙げられるようです。

 

そして欠乏症が続くと神経過敏、昏睡などの神経症状が起こることもあると言われています。また脳の萎縮、麻痺、精神異常、目の水晶体異常などが見られるとのこと。他にもアフリカや中国の土壌や水中にモリブデンが少ないところでは食道癌の発症が多く、欠乏によって食道癌リスクが考えられるのではないかという研究も続いているそうです。

 

モリブデンの過剰摂取について

モリブデンを過剰に摂取しても尿中に排泄されてしまうので、特に心配することはないようです。ただしモリブデンと銅との関係があるため、銅が極端に不足しているとモリブデン中毒の可能性も出てきます。

 

もしモリブデン中毒となったときには下痢や胃腸障害、心不全、昏睡などがラットなどの動物実験で報告されています。極端に銅が少なくなると高尿酸血症、痛風などの可能性が出てくる可能性もあるようですが、はっきりしたことはまだ分かっていないとのこと。

 

モリブデンの1日の必要量と食品

モリブデンの1日の目安量ですが厚生労働省の発表によると、男子も女子も生後0〜5カ月が2μg、6〜11カ月は10μgとなっています。1歳からは特に目安は示されていません。食品としてはレバーや乳製品、豆類、穀類などに多く含まれると言われています。特に貧血になりやすい人はこれらを意識的に摂るといいでしょう。とはいっても常識的な範囲の摂取量で十分です。

サプリ売れ筋比較

モリブデンの食事摂取基準(μg日)

性 別 男 性 女 性
年齢等 推定平均
必要量
推奨量 目安量 耐容
上限量
推定平均
必要量
推奨量 目安量 耐容
上限量
0〜5(月) 2 2
6〜11(月) 10 10
1〜2(歳)
3〜5(歳)
6〜7(歳)
8〜9(歳)
10〜11(歳)
12〜14(歳)
15〜17(歳)
18〜29(歳) 20 25 550 20 20 450
30〜49(歳) 25 30 550 20 25 450
50〜69(歳) 20 25 550 20 25 450
70 以上(歳) 20 25 550 20 20 450
妊婦(付加量)
授乳婦(付加量) +3 +3

出典元:厚生労働省 「日本人の食事摂取基準」(2015年版)より