クロムが不足すると

クロムという成分が必須ミネラルだということは、あまり知られていないのでは? ミネラルの中でも微量ミネラルの1つですが、なくてはならない成分でもあると言われています。さて、どのような働きがあるのか、そして不足したときにはどのような症状が引き起こされるのか、また過剰摂取の問題はないのかなども考えてみましょう。

 

クロムを多く含む食品の小麦

 

クロムについて

クロムは人間が活動するためには欠かせないミネラルと言われています。空気や水、土壌などにも存在し、体内には2mg存在している成分です。体内ではリンパ節や歯、肺、肝臓、卵巣などに多く存在し、筋肉、血液中などにも微量に存在しています。

 

自然界で摂取されるものは三価クロムで、栄養素として食事から摂取するのはすべて三価クロムです。そして六価クロムは人工的に作られたものであり、有毒で危険な物質となります。食品に含まれることはなく、環境汚染物質としても問題になっていますが、発がん性も高いと言われています。

 

クロムは小腸から吸収されますが、三価クロムの吸収率はたった2〜3%と言われています。食品酵母の中に含まれるクロムだけは10%〜25%と高いようです。また吸収されたクロムはほとんど尿によって排泄されます。

 

そしてシュウ酸と摂取することで吸収が阻害されると言われ、ほうれん草や里芋、葉物野菜などとの同時摂取は吸収率が落ちるでしょう。逆にビタミンCと同時摂取によって吸収が高くなります。また体には毒素となる六価クロムは三価クロムよりずっと吸収率が高いとのことです。

 

クロムの働きと効果

クロムの効果として糖尿病を予防する効果があります。体内に吸収されるとアルブシンやトランスフェリンというタンパク質と結合して血中から全身に運ばれます。それによって体中の代謝に深く関係しているのです。

 

またクロムはインスリンの働きをサポートすることによって、糖尿病の予防にもなると言われています。インスリンは膵臓にあるランゲルハンス島β細胞から分泌されるホルモンであり、糖質の代謝によってエネルギーをつくり、血糖値を下げるという働きをします。

 

特にクロムは、このインスリンの働きをサポートする因子の構成成分であることからサポートにかかわっています。またクロムは亜鉛と協力してインスリンサポートに働くため、亜鉛と同時摂取をするとより効果が高くなると言われています。

 

またクロムは脂質やタンパク質、炭水化物などからエネルギーを作り出すときに欠かせない成分です。クロムは代謝に関係するミネラルですが、特にコレステロールの代謝や結合組織の代謝、タンパク質代謝などに関係が深く、血中の中性脂肪やコレステロールを正常に下げてくれる働きがあり、その結果動脈硬化予防や高血圧予防につながります。

 

クロムが不足すると

クロムは微量ミネラルなので多量に摂取するものではなく、通常の食事を摂っていることで不足はあまり起こらないと言われています。しかし食生活が乱れたり過剰なダイエットなどによって、最近では注意しなければならない人も増えています。

 

もし不足すると代謝異常による成長障害、脂肪やタンパク質の代謝異常、角膜の疾患、動脈硬化、脂質異常症なども引き起こされるという報告もあります。

 

クロムの過剰摂取について

食事から取り入れる三価クロムの場合吸収率がとても少ないこともあり、過剰摂取による健康被害はまず考えなくても良いと言われています。ただし1日600μg〜1000μgの摂取を続けたとすれば、メリットはなく、吐き気や下痢、不眠症などを起こすことも。

 

しかし人工的な六価クロムの場合は、少しであっても毒性が強いので絶対に避けるべきですが、自然のものには六価クロムは含まれません。

 

クロムの1日必要摂取量と食品

クロムの1日の目安量として男子も女子も成人で10μgと厚生労働省では発表されています。食品としては小麦胚芽、玄米など精製していない穀物、牛肉、豚肉、鶏肉、レバー、ホタテ、牡蠣、ナッツ、豆、きのこ、海藻などに多く含まれていると言われています。

 

これらは毎日普通の食事をしていれば摂取するものなので、普通の食事をしていれば不足に対して気にすることはないようです。逆にこれらを必要以上に毎日食べすぎても特に健康被害がないので、あまり不安を持たない方がいいようです。

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クロムの食事摂取基準(μg/日)

性 別 男 性 女 性
年齢等 目安量 目安量
0〜5(月) 0.8 0.8
6〜11(月) 1.0 1.0
1〜2(歳)
3〜5(歳)
6〜7(歳)
8〜9(歳)
10〜11(歳)
12〜14(歳)
15〜17(歳)
18〜29(歳) 10 10
30〜49(歳) 10 10
50〜69(歳) 10 10
70 以上(歳) 10 10
妊婦 10
授乳婦 10

出典元:厚生労働省 「日本人の食事摂取基準」(2015年版)より