亜鉛が不足すると

亜鉛は大切な栄養素だと、最近いろいろなところで言われるようになりました。特に妊婦や妊活には欠かせないと言われていますがそれだけなのでしょうか。そこで亜鉛がどのような働きをするのか、また不足したらどうなるのかなどもう少し詳しく考えてみましょう。
牡蠣は亜鉛が豊富に含まれている食品です。

 

亜鉛について

亜鉛は肉や魚などの動物性食品に多く含まれるミネラルです。タンパク質、核酸の代謝などに深くかかわり、皮膚や粘膜の健康も守っています。そして妊娠とのかかわりも深く、妊活中のカップルには欠かせません。人間が生活するにはエネルギーが必要であり、代謝は重要な体の働きです。その代謝に必要不可欠な酵素の構成成分として亜鉛は欠かせないのです。

 

つまり亜鉛がなければ、代謝を行う大切な酵素自体が合成されないということになります。そして細胞の新陳代謝に関係する200種類以上の酵素の構成成分として、必要とされているミネラルなのです。亜鉛は体内に約2g存在していますが、血液、皮膚、骨、腎臓、肝臓、脳、毛髪など体内の亜鉛の95%以上が細胞内に存在しています。特に新陳代謝のサポートをしているので、新陳代謝の盛んな部分に多くとどまっているのです。

 

亜鉛の働きと効果

亜鉛は味覚を正常に保つ効果があります。わたしたちは舌の表面で味を感じ取りますが、そこには味蕾(みらい)が3000個以上あります。しかし加齢によって、その味蕾はどんどん減少するのです。亜鉛は代謝に深くかかわっていますが、この味蕾の再生にも深く関係している成分なのです。毎日美味しく食事を摂るためにも、味蕾の正常な再生と機能保持のためにも亜鉛が大切になります。

 

また細胞の再生、生れ変わりに大きくかかわるため成長にも影響しています。細胞分裂が起こるときに、遺伝子のコピーなどを正常にするためにも亜鉛が重要になります。また成長期の子どもは細胞分裂によりどんどん成長していきますが、そんな子どもたちには欠かせない栄養素の1つでもあるのです。

 

また大人でも肌のターンオーバーなどにも影響があり、健康だけでなく美容にも大きく関係しているミネラルです。そして人間は幾つになっても細胞分裂によって新しい細胞ができ、古い細胞が排出されていきます。この重要な繰り返しに亜鉛は欠かせない成分だと言えるのです。

 

そして最近多くなっている抜け毛にも効果があります。亜鉛によって代謝が高まると、頭皮や毛髪の生れ変わりを促進してくれるので、過度な抜け毛の防止予防をしてくれるのです。逆に抜け毛が多くなったら亜鉛不足のサインかも知れません。

 

そして何と言っても生殖機能の向上にも、深くかかわっている成分の1つとしても知られています。亜鉛はいろいろなホルモン合成のサポートをする働きもあり、ホルモン分泌の調整にもかかわっています。女性ホルモンの分泌の活性化そして精子の形成にも不可欠であり、妊活には男性も亜鉛不足を改善しなければなりません。妊活ではカップルで亜鉛不足に注意しましょう。

 

他にもインスリンの分泌量の調整効果があり、血糖値の調整がスムーズに行える状態を保つため糖尿病の予防効果もあります。また血圧降下作用があるため、生活習慣病の予防や改善にもかかわっています。他にも二日酔いなどにも効果があると言われています。体内での分解のためにはアルコール脱水素酵素が必要になりますが、この酵素のサポートを亜鉛が行うため、不足するとアルコールの解毒ができなくなります。

 

亜鉛が不足すると

亜鉛は不足すると代謝が落ちるため、肌がガサガサになるなどの皮膚炎、脱毛、爪の異常、免疫機能低下、味覚障害、臭覚障害、視覚障害まで起こることも。また生殖機能低下はもちろんのこと、流産、不妊などの影響もあると言われています。

 

また妊娠中に亜鉛が不足すると先天性代謝異常が起きやすく、特に亜鉛不足によって腸性肢端皮膚炎という疾患が起こることが判明されました。この疾患は下痢が起こり手足に水疱や膿を伴う皮膚疾患と言われています。また精神的な面でも、鬱状態になりやすいという報告もあるのです。

 

亜鉛の吸収について

亜鉛は小腸にて吸収されますが、アルブミンというタンパク質と結合し肝臓に届けられます。体内では10〜30%の吸収率ですが、一緒に摂取した鉄や銅によって変化すると言われています。また昇圧薬の服用によって亜鉛の吸収が妨げになることもあるようです。またインスタント食品やファーストフードには、亜鉛吸収を妨げるリン酸塩などが添加されていることが多いので注意が必要です。

 

また穀類や植物性食品に含まれることが多いフィチン酸や、青菜やほうれん草に多いシュウ酸、食物繊維などは腸管で亜鉛の結合するため吸収率は落ちてしまいます。また亜鉛とビタミンCを同時摂取すると吸収が高まるため、生牡蠣にレモンなんて最高の取り合わせなのです。

 

亜鉛の過剰摂取について

亜鉛の不足が言われている反面、亜鉛の過剰摂取にも注意が必要になります。亜鉛自体の毒生はあまり高くはなく、普通の食事からもそんなにたくさん摂ることにはならないため、特に普通の食生活を送っている場合は問題ないと言われています。しかし薬の内服による急性亜鉛中毒ということは十分に考えられます。少しでも薬の内服で異常が出た場合は、すぐ医師に相談をすることが重要です。

 

またサプリなどでも亜鉛の過剰摂取が見られますが、鉄や銅の吸収が妨害され貧血や下痢、神経症状が出ようになります。サプリの用量を守ることと、数種類のサプリを飲む場合は同じ成分が重なっていないかを注意しましょう。サプリはそのサプリのみの摂取として用量が決められています。多種類のサプリを飲む人ほど、成分がだぶっていないか注意が必要です。

 

亜鉛の1日必要摂取量

亜鉛の1日の摂取推奨量は男子の場合15歳〜69歳まで10mg、女子の場合は15歳〜69歳まで8mgとなっています。大人になる前の成長期から十分必要だということが言えそうです。魚介類では牡蠣、ホタテ、カニ、肉類は豚レバー、牛肉、他に玄米や納豆、卵などが多い食品と言われています。

 

牡蠣はダントツに多く100gに13.2mgとなっています。豚レバーもとても多く100gに6.9mgなので、150gの摂取で1日分の推奨摂取量となります。他に牛肉は100gで4.4mg程度となります。しかし吸収率の問題もあるので、数字どおりの量は摂取できません。そこでサプリを上手に利用することも考えてみましょう。

サプリ売れ筋比較

亜鉛の食事摂取基準(mg/日)

性 別 男 性 女 性
年齢等 推定平均
必要量
推奨量 目安量 耐容
上限量
推定平均
必要量
推奨量 目安量 耐容
上限量
0〜5(月) 2 2
6〜11(月) 3 3
1〜2(歳) 3 3 3 3
3〜5(歳) 3 4 3 4
6〜7(歳) 4 5 4 5
8〜9(歳) 5 6 5 5
10〜11(歳) 6 7 6 7
12〜14(歳) 8 9 7 8
15〜17(歳) 9 10 6 8
18〜29(歳) 8 10 40 6 8 35
30〜49(歳) 8 10 45 6 8 35
50〜69(歳) 8 10 45 6 8 35
70 以上(歳) 8 9 40 6 7 35
妊婦(付加量) +1 +2
授乳婦(付加量) +3 +3

出典元:厚生労働省 「日本人の食事摂取基準」(2015年版)より